2024.3.19
便利でスタイリッシュ!
快適な旅行をサポートするキャリーケース
メンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売。
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?
2ブランドが統合して発足したデルセー
ポカポカ陽気のベストシーズンを迎えるにあたり、とにかくどこかへ行きたい! という“旅願望”の盛り上がっている人が多いのではないでしょうか。
私も、昔から旅が大好きです。
出かける先は、遠い異国の地でもほんの隣町でも、どこだっていいのです。見慣れぬ景色を眺めながら、歩いたことのない道を歩いているだけで心が踊ります。
急展開でびっくりかもしれませんが、いろいろと都合がありまして(笑)、敢えてそう断言させていただきます!
キャリーケースのブランドは世の中にたくさんありますが、今、一押ししたいのがフランス生まれのDELSEY PARIS(通称・デルセー)です。
ヨーロッパではトップシェアの老舗なので、名前は耳にしたことのある人が多いのではないかと思いますが、日本ではまだ他の有名ブランドの後塵を拝している感のあるデルセー。
ですので、まずはブランドの生い立ちから見ていきましょう。
1911年に創業し、カメラ用革製ケースを作っていたデラハエ(Delahaye)社と、タイプライターやレコードプレーヤーのケースを作っていたセインヘーヴ(Seynhaeve)社が合併したのは1946年のこと。
新しい社名は、両社の社名の頭3文字ずつを取って合わせ、“DelSey”に決まりました(のちに現在の社名DELAEY PARISと改名)。
デラハエ社の経営者だったエミール・デラハエと、セインへーヴ社を所有していたアンドレ&ウォルター・セインヘーヴ兄弟はともに手を取り、この新しいブランドを成功に導くことを誓います。
画期的だったプラスチック製キャリーケース
デルセー社は発足直後から、合併前の2社が長年にわたって育み、培っていた技術とノウハウを最大限に活かした新製品開発を目論みます。
そして生み出されたのが、プラスチック製のスーツケースでした。
今では軽くて丈夫なプラスチック製は珍しくありませんが、当時のスーツケースといえば革製が常識。
重いうえに雨などに弱くて扱いにくい革製スーツケースを引きずるようにして旅することが、当時の人にとっては当たり前でした。
そこへ突如として現れたデルセー発明によるプラスチック製スーツケースが、驚きを持って人々に迎え入れられただろうということは想像に難くありません。
当時の社会情勢も、デルセー社の成長を後押しします。
戦後のフランス社会では、会社の有給休暇制度が法制化され、観光業が活性化します。
にわかに発生した大量の国内観光客に向け、デルセー社はスーツケース以外にも、バニティケースや旅行用バッグなどを次々と商品化します。
車での旅行から、発達しつつあった鉄道での旅行、そして飛行機を使った海外旅行にまで対応できる製品をデルセー社は続々とリリース。
その多くが旅行者から絶大な支持を受け、売り上げはぐんぐん伸びていったそうです。
デルセー社の製品が顧客に受けた理由は、その画期的な素材選びや機能性だけではなく、デザインが非常に優れていたからです。
世界のファッションの中心・パリに本社を置くという地の利は、デルセー社の製品に抜かりなく反映されました。
エレガンスでエスプリの効いたデザインのキャリーケースは、やがて国内だけではなく、他国の人々からも注目されるようになっていきました。
その後もデルセー社は画期的な商品を次々と世に送り出し、今や年間300万以上のキャリーケースを生産し、110ヶ国以上で販売するブランドに成長しています。
DELSEY PARISとはヨーロッパナンバーワンブランドであり、TUMIやサムソナイトと並ぶ世界トップ3キャリーケースブランドの一角なのです。
デルセーのおすすめキャリーケース3選
ではここから、そんなデルセーの代表的な商品を見ていきましょう。
まずは「シャトレエアー2.0」です。
全体にぐるりと施された2本のラインがユニークで、どことなくパリの建築物をも彷彿とさせるデザイン。
クラシカルでありながらシックでモダンな雰囲気を併せ持つ、デルセーの中でも非常に人気の高いモデルです。
素材は傷や汚れに強く、軽量で丈夫なポリカーボネートを使用しており、実際に持ってみると驚くほどの軽さ。
4つのダブルホイールは軽快な操作性で、まったくストレスなく持ち運ぶことができます。
実際にユーザーはまずそのデザインに惚れこんで購入し、後からその機能性の高さを確認して驚くようです。
続いておすすめしたいのが「REMPART EXP」。
こちらは前出の「シャトレエアー2.0」とは打って変わり、機器類を収納するプロテクトケースのような、質実剛健で現代的なデザインを特徴とするキャリーケースです。
比較的幅が厚くコロンとしたシルエットの“トランク型”は、最近のキャリーケース界のトレンド。
各ブランドからこうした形のキャリーケースがリリースされていますが、デルセーのものはやっぱりデザインが一味違います。シンプルながらスマートで、さりげない気品があり、持っているだけで気分が上がりそうなキャリーケースです。
幅があるのでもともと大容量ですが、各サイズとも拡張機能があり、いつでも容量を増やすことができるも嬉しいところです。
そしてもう一つのおすすめモデルが、「CLAVEL EXP」です。
このキャリーケースの最大の特徴は、なんといってもこの丸みのある特徴的なフォルムでしょう。
フロントのパネル部分が切り替えになっているのも、表情があっていい感じです。
「CLABEL」シリーズはデザイン性はもちろん、内部構造や人間工学に基づいた機能性も評価され、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催するデザイン界の権威ある賞“Red Dot Award”で、2020年に『Best of the Best』賞を受賞しています。
そんなおしゃれなキャリーケースを連れて旅すれば、本当に気分上々になりそうですね。
レインズ、ボーラー、ダカインのキャリーケース
それでは次に、デルセー以外のおすすめキャリーケースを3点ご紹介しましょう。
北欧・デンマーク発のライフスタイルブランド、RAINS(レインズ)の「トラベルバッグ スモール」は、ブランドのシグネチャーモデルです。
RAINSはその名の通り、レインウェアを得意とするブランドなので、このキャリーケースに使われている素材も撥水性が高く、雨の日に使っても大事な荷物は濡れにくく安心。
アーバンなスタイルでサイズ感も手頃なので、仕事の出張用としても使いやすく、出番が多くなりそうなキャリーケースです。
続いてご紹介したいのが、THELE(スーリー)の「CHASM LUGGAGE」。
車好きの人ならよくご存知と思いますが、スーリーは車のルーフキャリアやルーフボックスで有名なスウェーデンのブランドです。
カーキャリア業界では世界最大メーカーであるスーリーは昨今、「Bring your life」というコーポレートスローガンを掲げ、多岐にわたる製品を展開。
2000年代後半からは特にバッグの販売に力を入れていて、高品質で耐久性が高く、アウトドアやアクティブなライフスタイルに適したデザインのバッグは、世界中で高く評価されています。
この「CHASM LUGGAGE」は、110Lという大容量のダッフルバッグ型キャリーケースですので、かなり長期の旅行にも対応可能。
さまざまな道具を放り込めるので、キャンプなどのアウトドアライフでも重宝しそうです。
そして最後は、DAKINE(ダカイン)の 「365 ROLLER」。
ハワイ・マウイ島で1979年に創業し、現在はアメリカ本土のポートランドに拠点を置くダカインは、タウンユースからアウトドアシーンまでサポートする幅広いレンジのハイクオリティなバッグを生産するブランド。
スケーターやスノーボーダー、サーファーなど、横ノリ系スポーツを愛する人たちに支持されるブランドなので、この「365 ROLLER」もシンプルながらスポーティな雰囲気を醸し出すキャリーケースです。
さて、いかがだったでしょう。気になるキャリーケースは見つかりましたか?
私はすでに3つほど欲しくなっていますが、キャリーケースって場所を取るので、そんなにたくさん買えないのがジレンマですよね。
皆さんもよく吟味して、これぞというものを選んでみてください。