#31 長く愛用できるバブアーの魅力 英国伝統の一着
バブアー看板

2024.9.13

長く愛用できるバブアーの魅力
英国伝統の一着

佐藤 誠二朗さんメンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売。
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

バブアーの魅力

1894年創業というイギリスでも屈指の長い歴史を誇り、信頼度抜群のアウトドアウェアブランド・バブアー(Barbour)。
バブアーと聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、「ビデイル」や「ビュフォート」といった、オイルドクロスの防水性が高いジャケットでしょう。

【バブアー】
【バブアー】
【バブアー】

エリザベス2世やチャールズ国王など、英国王室メンバーが公の場でたびたび着用していたことからも、バブアーのジャケットの品質と格調の高さが窺えます。

バブアーの創業者であるジョン・バブアーは、1870年からイングランド北東部のサウスシールズという街で布地の行商を始めました。
炭鉱と造船業で栄えていたその頃のサウスシールズは、主要な石炭輸出港を抱える街としても知られていました。

サウスシールズは北海に面し、イギリス北東部特有の過酷な気候にさらされる土地でもあります。
涼しく短い夏と長く続く寒い冬、常に吹き続ける冷たい強風と、分厚い雲に覆われた曇り空が特徴で、年間平均気温は2℃から19℃の間で推移。もっとも暑い真夏でも最高気温が23℃を超えることは稀という土地です。

こうした厳しい気候の中で働く人々を見て、ビジネスチャンスを見出したジョン・バブアー。寒さ、風雨、海水に耐えうる実用的な衣服を作れば、大きな反響を得ることができると考えたのです。

そうして生まれたオイルドクロスの防水ジャケットですが、バブアーの魅力はそれだけではありません。
英国のカントリーライフに根ざしたデザインが反映されており、上質な素材と丁寧な縫製が際立つシャツも、隠れた名品揃いなのです。

今回ご紹介するのは、ほぼすべてがコットン100%で仕立てられており、肌触り良く、長く愛用できるシャツたち。
耐久性と快適性を兼ね備え、アウトドアからストリートカジュアル、ビジネスカジュアルまで幅広いスタイルに適したデザインも魅力です。
シャツに目を向ければ、バブアーの新たな魅力に気づけるはずです。

バブアー①
photo:Newcastle Libraries/fkickr

バブアーシャツの特徴とデザイン

英国伝統のクラシックなタータンチェックが特徴の「エダー テーラード シャツ」。

【バブアー】

スッキリしたシルエットと落ち着いた色合いのため、日常使いだけでなくビジネスカジュアルとしても利用できるシャツです。
秋冬シーズンにはツイードのジャケットやカーディガンなどのインナーとして使い、温かみのある雰囲気を演出。春にはデニムやチノパンと組み合わせて一枚で羽織り、爽やかでリラックスしたスタイルを楽しむこともできるでしょう。
またアウトドアシーンで着ると、英国紳士のような品格ある大人の休日という雰囲気を醸し出すことができそうです。

格子のピッチが広いチェックと多色展開が特徴の「ハリステイラーシャツ」は、すっきりしたシルエットと落ち着いた色柄が特徴。

【バブアー】

スリムなスラックスと合わせると、清潔感と洗練された雰囲気を保ちながら、少しリラックスした印象を加えることができます。
オフィスでのミーティングや軽い外出にもぴったり。やや薄手のコットン素材なので、軽くて快適、オールシーズン使える一着です。
季節に応じてジャケットやコートを重ねれば、季節感を出しつつもシンプルで洗練されたコーディネートが完成します。

よりカジュアルなシーンでおすすめしたいのは、「ダヌーン テーラード シャツ」です。

【バブアー】

目を引くピッチ広めなチェック柄と多色展開が特徴で、落ち着いた雰囲気が好みの人はオリーブナイトやグラファイト、ブラックスレートなど、アクティブな雰囲気を出したい人はレッドやクラシック、シーウィードタータンなどと、好みに応じて選択の幅が広いのがいいところです。
合わせる服も人それぞれで自由に選べます。例えば、ボトムスにデニムやカーゴパンツを合わせると、軽やかなカジュアルスタイルが完成。
寒い季節には、ダウンベストやパーカーと重ね着してシャツを見せることで、暖かさを確保しつつカジュアルな雰囲気を醸し出すことができます。
存在感があるチェック柄なので、なるべくシンプルなアイテムと合わせてバランスを取ることがポイントです。

バブアー②
photo:Roger Utting Photography/iStock

コーディネートの幅が広がるバブアーシャツ

バブアーのシャツの特筆すべきポイントは、オーセンティックなチェック柄や無地などの落ち着いたデザイン、そして品質とディテールへのこだわりです。
どのシャツも“着回し力”が高く、一枚で様々なシーンに対応できます。

秋が深まり、冷たい空気が心地よい季節になってきたら、「ローベル テイラード シャツ」などいかがでしょう。

【バブアー】

温かみのある厚手のコットン生地と、角度を変化させた両胸ポケットのチェック柄、そしてコーデュロイ素材のエルボーパッチが大きな特徴のワークシャツです。
トラディショナルなカントリースタイルのシャツなので、キャンプやバーベキューなどのシーンにはハマりすぎるほどぴったり。
アウトドアシーンだけではなく、ルーズシルエットのジーンズやスウェットと合わせてストリートカジュアルなルックを実現したり、ゴツめのブーツやミリタリーパンツと組み合わせて、ハードな雰囲気のコーディネートに挑戦したりするのも面白そうです。

上質なコーデュロイ生地を使用した「ブレア テーラード フィット シャツ」はシンプルなデザインで、どこかクラシカルな雰囲気を醸し出すアイテムです。

【バブアー】

落ち着いたカラーは上品さを引き立てつつ、幅広いコーディネートにマッチします。
例えば、アウトドアでのリラックスシーンでは、ショートパンツやリネン素材のボトムスと合わせて、軽やかな雰囲気を楽しみたいところ。
一方、都会的なスタイルを目指すなら、スキニーなジーンズやチノパンと組み合わせ、シンプルながらも洗練されたスタイルを作り上げましょう。
仕事やカジュアルな会食の場でも活躍し、場を選ばない一着です。

「マウンテン テーラード シャツ」は、伝統的なワークウェアのデザインにインスピレーションを得た一着。

【バブアー】

起毛仕上げによる頑丈そうな外観ですが、肌触りはソフトで着心地抜群です。
耐久性の高いコーデュロイ素材のエルボーパッチも、デザイン上の大きなポイント。
クラシックなチェック柄が印象的ですが、落ち着きのある色味のため、どんなシーンにも対応できる万能アイテムです。
カジュアルシーンでは、濃色のデニムやコーデュロイパンツと合わせ、秋冬らしい温かみのあるスタイルを楽しめます。
スマートカジュアルな場面でも、シンプルなジャケットやカーディガンと合わせることで、程よくラフでありながらも清潔感のあるスタイルを実現できます。

バブアー③
photo:Luca Boldrini/fkickr

バブアーシャツは長く愛用できる理由アイテム

バブアーシャツの魅力は、一枚でコーディネート全体に品格が生まれること。アウトドアシーンでもビジネスシーンでも、シャツ一枚でバランスの取れたスタイルを作り出せるのが、バブアーならではの強みです。

「スノーキャップ テイラードシャツ」は、英国らしいタータンチェック柄の厚手起毛コットン生地を使用したワークスタイルシャツで、シャツジャケットとしても活用できる一着です。

【バブアー】

Tシャツと重ねてアウターとして着たり、ダウンベストの下に重ねてクラシックなカントリースタイルにしたりするのに最適。
内側の襟と袖口にはコードトリムを備え、プレミアムな仕上がりになっています。
全体的にフィット感のあるテイラードフィットで、機能性とデザイン性を兼ね備えたアイテムです。

自然の中でゆったり過ごす休日には、「ラムジー テーラードシャツ」が最高。

【バブアー】

バブアーの伝統的なアウトドア系デザインを引き継ぎつつも、少し現代的なエッセンスが加わったボタンダウンシャツです。
無地のシンプルなデザインは、デニムジャケットやステンカラーコートなどとの相性が良く、週末のカジュアルな外出やアウトドア活動にぴったり。
非常に着回ししやすく、寒い日にはレイヤードスタイル用のアイテムとしても活躍。秋冬のおしゃれを最大限に楽しめるシャツです。

カジュアルなチェック柄でありながら、仕事やちょっとした会食の場面でも使えそうなのが「バレー テーラードシャツ」。目を引く大きなカントリーチェック柄の長袖カジュアルシャツです。

【バブアー】

厚手のコットン生地には柔らかなブラッシュ仕上げが施されており、着心地が非常に快適。一年中、ワードローブに加える一着です。

バブアーのシャツ全般に言えるもう一つの大きな魅力は、その耐久性です。
上質な素材で作られたこれらのシャツは、手入れすれば長年にわたって愛用でき、使い込むほどに独特の風合いが生まれます。
日常を少し上質に、そして快適に過ごすための一着として、バブアーのシャツは最高の相棒となるでしょう。
まさに一生モノの価値があるシャツなのです。

バブアー④
photo: Alena Kravchenko/iStock

バブアー一覧はこちら トップページへ戻る