#23 コロンビアスポーツウェアの進化、革新的機能とブランドの歴史
コロンビア看板

2024.6.21

コロンビアスポーツウェアの進化
革新的機能とブランドの歴史

佐藤 誠二朗さんメンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売。
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

コロンビアのブランドヒストリー

コロンビアは、第二次世界大戦の時代にナチスからの迫害を逃れてアメリカに亡命した、ポール・ラムフロムというユダヤ系ドイツ人が起こした帽子問屋からスタートした会社。
今のような総合アウトドアブランドへと転換させたのは、義理の父であるポールから社業を引き継いだ、2代目社長のニール・ボイルです。

1960年に発表されたコロンビア最初のオリジナル商品は、ツール用のマルチポケットが多数施されたフィッシングベストでした。
このフィッシングベストを発明したのは、創業者ポールの実の娘で、ニールの妻であるガート・ボイルです。
彼女は熱心な釣り人であった父や夫、夫の友人からのリクエストに耳を傾け、ミシンを使った手作りで世界初の便利なフィッシングベストを生み出しました。

このフィッシングベストが市場で大ウケするや、ニールはスキーグローブ製造会社のコロンビアマニファクチャリングカンパニーを買収し、社名をコロンビアスポーツウェアカンパニーと改称。ハンターや釣り人、スキーヤーのためのアウターウェアの製造販売へと、事業内容を多角化していきます。

1970年、ニールが47才にして急逝すると会社の経営権はガートに移行。
その後の1970年代の世の中は、ヒッピー全盛期を経て、世界中でヘビーデューティ(アウトドアウェアをタウンユースするトレンド)が盛り上がります。
彼らからの需要を追い風に、確かな製品作りで定評のあるコロンビアは、着実にビジネス基盤を発展させます。

そして1982年に発表した“インターチェンジシステム”を採用するツー・イン・ワン・ジャケット(アウターとインナーがジッパーで着脱でき、気候に合わせて3ウェイの着こなしができるジャケット)が、多くのアウトドアファンから支持されます。
このシステムを採用した「バガブーパーカ」は、米国アウトドアウェアの年間最多販売記録を打ち立てるほどのヒット商品となり、コロンビアスポーツウェアはアメリカで最大級のアウトドアメーカーに成長するのです。

長らくコロンビアを率いたガート・ボイルは、2019年に95歳で逝去。
現在のコロンビアスポーツウェアは、80年代から実質的に会社を動かしていたガートの息子ティモシー・ボイルがCEOとなっています。

コロンビア①
photo:Oregon National Guard/flickr

コロンビアが独自開発した機能

コロンビアは数多くの画期的な機能を発案し、世に広めたメーカーとしても有名です。ここではその中から、代表的な「オムニウィック」と「オムニシェイド」について、ちょっと詳しく解説いたしましょう。

オムニウィックというのは、コロンビアのウェアに用いられている独自開発の吸湿速乾機能のことです。
この機能を持つ生地で作られたコロンビアのウェアは、運動中も汗を素早く吸収し、常にサラリとした着心地を維持してくれます。
そのため汗を大量にかく夏場でも涼しく過ごせ、最近の異常に暑い日本の夏で多発する熱中症予防にも最適です。

吸湿速乾機能というのは、人体から発生する湿気や水分をすばやく吸収し、拡散・蒸発させるもの。
汗をかくそばから蒸発させてくれるので、着心地は常にドライで快適な状態が保たれるのです。

オムニウィック機能を搭載したウェアの利点は、着用時だけでなく洗濯後にも実感できるはずです。
着用時と同様の機能を発揮するので、通常の素材を使った服よりもずっと早く乾燥するからです。
コロンビアは、アパレルはもちろん帽子などの小物にも、独自開発したこのオムニウィック機能を活用しています。

続いて、オムニシェイドについてです。
こちらは俗に“UVカット”と称されるものと同様、降り注ぐ紫外線をカットし、肌を守るサンプロテクション機能です。
紫外線をカットする能力は「UPF」という単位で表現され、その値が高いほど優れた保護効果を発揮します。
目安としては、UPF30なら95%、UPF50なら98%の紫外線を防ぐと言われてます。

コロンビアはオムニウィックと同様に、さまざまなアパレルや帽子、小物に至るまでこのオムニウィック機能を搭載した商品を展開しています。
Z-CRAFTに掲載されているものを含め、コロンビアの商品にはUPFの数値が示されているものが多いので、美白を保ちたい人から日焼けによる健康被害が気になる人まで、紫外線をなるべく遠ざけたいという人は、ぜひチェックしてみてください。

コロンビア②
photo:/iStock

コロンビアはなぜコスパがいいのか

現在のコロンビアといえば、キャンプやハイキングから釣り、ウィンタースポーツ、ウォータースポーツ、夏フェス、ハンティング、登山、ゴルフ、ランニングなどなど、さまざまなアウトドアアクティビティやスポーツに対応する商品がラインナップされています。

そしてコロンビアのいいところは、シンプルでおしゃれなデザインでありながら、前述の「オムニウィック」や「オムニシェイド」に代表されるような、長い歴史に裏打ちされた確実な技術による機能性が保証されているところです。

それに加え、値段が手頃で手を出しやすいということも大きなポイント。
このコスパの良さは、“マザー”と呼ばれたコロンビア中興の祖、ガート・ボイルが遺した言葉にも見て取れます。

「お子さんが何人もいる家庭で、高いジャケットやコートは何着も買えないでしょう。だからコロンビアでは適正な価格を大きなテーマにしています。私はアウトドアの世界をひとりでも多くの人に楽しんでもらいたいんです」。

彼女の言葉の通り、機能性に富み、デザインも優れたアイテムが手頃な価格で手に入るのが、コロンビアの最大の魅力なのです。

比較的気安く買えてガンガン使うことができるコロンビアのアウトドアウェア。
ご存知の通り昨今は、アウトドアウェアといえども、アウトドアやスポーツシーンだけではなく、日常生活の中でも使うことが当たり前になっているので、さまざまな場面で大活躍が期待できます。

そこで、吸湿速乾性の「オムニウィック」、紫外線カットの「オムニシェイド」の機能を搭載したTシャツや帽子を、どんなシーンで使用したらいいか、考えてみましょう。

コロンビア③
photo:Thankful Photography/iStock

シーン別コロンビア活用例

オムニウィック機能搭載のTシャツは……。

まずはこれ。正統派ですが、ハイキングやトレッキングのときです。長時間のハイキングやトレッキングでは、体温があがり汗をかきやすくなります。オムニウィックTシャツはあふれる汗を速やかに吸収し蒸発させることで、肌を乾いた状態に保ちます。これにより、長時間の運動中も快適に過ごせるのです。

通勤や通学時にもオムニウィックTシャツは最適かもしれません。夏の暑い日や混雑した電車の中では、汗を大量にかきます。すると、その後の臭いが気になりますよね。
オムニウィックTシャツなら、かいた汗はすぐに飛んでいってくれるので、通勤・通学中は快適さを保つことができるうえ、会社や学校についてから臭いを気にせずに過ごせるはずなのです。

もちろんスポーツをするとき、例えばランニングやジョギング、フィットネス、ジムトレーニングのときにも、オムニウィックTシャツはバッチリです。
特に夏場の高温多湿な環境での運動は熱中症の心配が高まるので、ぜひ活用したいところです。

また日常の家事や掃除、ご近所への買い物や友人とのランチなどのちょっとしたお出かけのときなども、夏場は意外なほど汗をかくので、オムニウィックTシャツがあると便利ですね。

【コロンビア】
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続いて紫外線カットのオムニシェイド機能を搭載する帽子の使用例です。

まずはなんといっても、どうしても強い直射日光にさらされるビーチやプールサイドでしょう。オムニシェイド機能搭載の帽子は、“必須”と言っても過言ではありません。

キャンプやピクニックでも、場所によっては木陰などがなかなか見つからない場合があります。長時間の屋外活動には、日焼けや紫外線によるダメージを防ぐためオムニシェイド帽子がおすすめです。

そして日常生活です。
公園での散歩や、家族の送り迎え、またガーデニングや庭いじりなどの「これくらいは大丈夫だろ」と思うシーンほど、実は紫外線の被害を受けやすかったりします。
オムニシェイド帽子はここぞというときに持ち出すだけではなく、常に玄関脇に置いておき、ちょっとした外出にさっとかぶることができると、より効果を実感できそうです。

気軽に使える高機能なコロンビアのアイテムを、この夏のおともとしてぜひ活用してみてください。

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コロンビア④
photo:PreawBlackWhite/iStock

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