#29 47の魅力を徹底解剖!CLEAN UP、MVP、HITCH、CAPTAINの違いとは?

2024.8.21

'47の魅力を徹底解剖!
CLEAN UP、MVP、HITCH、CAPTAINの違いとは?

佐藤 誠二朗さんメンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売。
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

万人向けの'47「CLEAN UP」

'47は、1947年にアメリカのボストンで設立されたベースボールキャップブランド。
創業者はイタリア移民の双子の兄弟、アーサー&ヘンリー・ディアンジェロです。
彼らが創り出したキャップは単なるファッションアイテムではなく、アメリカンカルチャーの象徴となりました。

そんな'47の中で、おそらくもっとも普及しているモデルが、カジュアルな雰囲気が魅力の「CLEAN UP」です。

【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】

浅いクラウン(帽子の頭にかぶる部分)と大きくカーブしたバイザー(つば)が特徴の「CLEAN UP」は、シンプルながらどこか味わい深く、ブランドの理念を体現したようなモデル。
芯がなく柔らかいフロントパネル(クラウンの前面部分)とウォッシュ加工された生地、ストラップ式のバックアジャスターなども「CLEAN UP」の特徴です。

「CLEAN UP」はカラーバリエーションが非常に豊富です。
定番のブラックやネイビーはもちろん、季節ごとのトレンドカラーやユニークな色合いも揃っており、どんなスタイルやシチュエーションにも対応可能です。
性別や年齢を問わず、自分に合った一色が必ず見つかる「CLEAN UP」は、日常のファッションに取り入れやすく、毎日ついつい手に取ってしまう魅力があります。

フィット感の良さも、「CLEAN UP」を語る上では欠かせないポイント。
柔らかなクラウンの生地が頭をそっと包み込むような、優しいかぶり心地です。
ストラップ式のバックアジャスターは無段階での調整が可能なので、頭の大きさや形に関わらず、誰にでもジャストフィットするように設計されています。
同じ人でも日によって、または髪型によって微妙に異なるかぶり方をしたくなるものですが、そうした微妙な変化にも対応できて便利です。

ウォッシュ加工が施されたクラウンのコットン生地は、新品ですでにヴィンテージ感が漂い、手に取った瞬間からこなれた雰囲気を楽しめます。
さらに使い込むほどに色落ちし、独自の風合いが増していくため、時間をかけて自分だけの一品に育て上げる楽しみもあります。

47cap①

バランス抜群な'47「MVP」

「MVP」はその名が示すように、どんなコーディネートでも主役を張れる、万能選手のようなキャップ。
投打にわたって大活躍する大谷翔平を彷彿させる、非常に優秀なプレーヤーです。

'47の中では「CLEAN UP」と並んで特に人気の高いモデルで、その魅力は多岐にわたりますが、何と言ってもまず目を引くのは、立体的なフロントの刺繍ロゴでしょう。
存在感のあるこの刺繍がベースボールキャップらしさを際立たせるとともに、コーディネートのエッジとしての役割を担ってくれます。

一般的にベースボールキャップというアイテムは、オーセンティックなディテールが好まれる一方、トレンドやモダンな要素を望む人もいます。
そのどちらにも対応できるのが「MVP」。
クラシックとトレンドのバランスが絶妙にとれたモデルなので、あらゆる服装にマッチし、コーディネートに取り入れやすいのです。

【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】

前述の「CLEAN UP」と比較すると、「MVP」はよりしっかりとしたクラウンが特徴。フロントパネルに芯が入った構築的なフォルムなので、頭の上でしっかりと形状をキープします。
少し高さのあるクラウンは頭と生地の間に空間を作り、長時間の着用でも快適さを保つこともできます。

「MVP」は、カジュアルなファッションと相性が良いのはもちろん、意外にも少しかっちりしたスタイルにもマッチします。
Tシャツやデニムに合わせるだけでなく、ジャケットやシャツ、スラックスといったフォーマルなアイテムとも違和感なく調和するのです。

カラーや素材のバリエーションも豊富なので、自分らしいスタイルに合う一着を見つけやすいのも「MVP」のいいところ。
装飾が控えめながらも存在感を失わない「MVP」はオールシーズン楽しめ、そうした観点からも万能アイテムと言うことができます。

'47初心者で、数あるラインナップの中からどれを選んだらいいのか迷う人は、まずはこの「MVP」から始めてみるのがいいかもしれません。

47cap②
photo:ALL-Pro Reels/fkickr

本格仕様の'47「HITCH」

わずかなカーブがついたバイザーと、高いクラウンが特徴の「HITCH」は、前述の「MVP」や「CLEAN UP」と比較すると、より本格的な雰囲気を醸し出すモデルです。
“本格的”とは何かというと、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)プレーヤーが試合で実際にかぶっているキャップに近いという意味です。

MLB唯一の公式キャップメーカーは、'47のライバルブランドであるニューエラ。
対する'47はMLBの公認キャップメーカーです。
つまり選手用ではなく、一般向けのファングッズとしてのキャップ作りを使命とするブランドなので、ニューエラよりもカジュアルでかぶりやすいキャップのラインナップが豊富なのです。

MLBでは、チームごとにニューエラの様々なモデルを採用していますが、その多くはストレートなバイザーと高いクラウンを持つキャップです。
つまり「HITCH」は'47のラインナップの中で、選手が試合で使っているキャップの要素を強めに取り入れたモデルということになるのです。

【47 BRAND CAPS】

「HITCH」は、「MVP」や「CLEAN UP」と比較すると、よりオーセンティックな印象を与えるフォルムです。
大きなフロントパネルにはしっかりとした芯が入っていて、型崩れしにくく、かぶると頭の上で強い存在感を示します。

万人がかぶれるカジュアルな雰囲気はやや薄れますが、ストリートな雰囲気がより色濃くなるので、ファッション好きな人、特にヒップホップやスケートボードのようなアメリカンストリートカルチャーが好きな人にはうってつけのキャップと言ってもいいでしょう。

しっかりしたフォルムで型崩れしにくいので、どこか都会的で洗練された雰囲気を感じさせ、ファッショナブルで華やか、そして少し悪っぽさも醸し出す「HITCH」。
うまくかぶりこなせば、とてもかっこいいモデルです。

とはいうものの、後述する「CAPTAIN」と比べるとややカジュアル寄りなので、アメリカのコテコテストリートスタイルの入門者にはぴったりかもしれません。

47cap③
photo:jetcityimage/iStock

かぶり手を選ぶ'47「CAPTAIN」

さて。
最後にご紹介するのが、前項で予告した「CAPTAIN」です。
'47のラインナップの中でもっとも“ホンモノ”に近いベースボールキャップと言っていいでしょう。
芯ありのしっかりとしたフロントパネルに、かなり高いクラウン、そしてビシッと真っすぐなバイザー。
これぞベースボールキャップ! というシルエットです。

【47 BRAND CAPS】
【47 BRAND CAPS】

この「CAPTAIN」の構築的なフォルムは、相当な存在感を醸し出すので、軽くカジュアルにかぶることは、もはや難しいかもしれません。
でもその特徴をよく理解し、コーディネートを工夫すれば、非常にかっこいいアイテムとして大きな役割を果たしてくれます。

アメリカのBボーイがこうしたキャップを好むことは有名で、ヒップホップファッションと相性がいいのは当然。
でも、そんなヒップホップガチ勢だけではなく、例えばアメリカンテイスト強めの古着スタイルやスポーツミックスのコーディネートとも相性が良さそうです。

例えば、オーバーサイズのスウェットやフーディ、ジョガーパンツと合わせることで、ストリート感のあるコーディネートが完成するでしょう。
さらに、クラシックなデニムジャケットやレザージャケットとも好相性で、スタイル全体にワイルド感と洗練さをプラスしてくれます。
カジュアルな装いだけでなく、モノトーンやシンプルなスタイルでかぶっても、怪しげな雰囲気が漂ってかなりカッコ良さそうです。

兎にも角にも「CAPTAIN」はかぶっているだけで、ファッションへの強いこだわりを感じさせるような上級者向けデザインです。
アメリカンストリートカルチャーを愛する人は、ぜひチャレンジしてみてください。

さて、いかがだったでしょうか?
老若男女向けのカジュアルな「CLEAN UP」から、かぶる人を選ぶコテコテな「CAPTAIN」まで。
何も考えずに見るとどれも似たようなものに思えるかもしれませんが、'47のベースボールキャップにはこれほどの幅広さがあるのです。

ぜひ、自分にぴったりのキャップを探してみてください。

47cap④
photo:sellyourseoul/flickr

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